お弁当に定番のおかずの一つ卵焼き、焦げないように気をつけて作ったはずなのに“なぜか卵焼きが黒くなる…なんでだろう?”と疑問に思ったことがあるかもしれません。
焦げていないのに卵焼きが黒くなるのは「硫化黒変」という化学反応が起こるためで、これの原因として次の3つがあります。
- 卵が古い
- 加熱温度が高温
- 長時間の加熱
後ほど硫化黒変の仕組みを含めて詳しく説明します。また、卵焼きを綺麗に作るポイントやカビとの違い、卵焼きの保存方法についてもご紹介しますので、これからの卵焼き作りの参考にしてみてくださいね。
この記事では
- 卵焼きが黒くなる!【原因3つ】
- 卵焼きを綺麗に作るポイント
- 硫化黒変とカビの違い
- 卵焼きのおすすめの保存方法
についてご紹介します。
卵焼きが黒くなる原因や綺麗に作るコツを知って、美味しくて楽しい食卓やお弁当を楽しんでいきましょう。
卵焼きが黒くなる! 【原因3つ】

最初に述べたように焦げていないのに卵焼きが黒くなるのは「硫化黒変」という化学反応が起こるからです。卵白の中の硫黄が加熱により硫化水素となり、卵黄の鉄と結合して黒くなります。
この硫化黒変が起こりやすい原因として次のようなものが挙げられます。
- 卵が古い
- 加熱温度が高温
- 長時間の加熱
それぞれ説明します。
卵が古い
まず原因の一つに卵が古いことが挙げられます。産卵から日が経つごとに卵のpHが上がっていきます。卵のpHが高いほど硫化水素が発生しやすくなるので、古い卵の卵焼きは黒くなりやすいです。
購入してから時間が経った古い卵で作ることになったら、お酢やマヨネーズなどを加えればpHが調整されるので黒くなることをある程度抑えることができます。
加熱温度が高温
加熱温度が高温だと硫化水素が発生しやすくなります。硫化水素が増えると硫化黒変が起こりやすくなるので、火加減を中火以下になるように調整するようにしましょう。
長時間の加熱
さらに加熱の時間が長くなると、硫化水素が発生し続けてしまい卵黄の鉄と反応してしまいます。そのため硫化黒変が進んでしまい、卵焼きの仕上がりが黒くなります。弱火でもサッと火が通るように卵を薄く広げるのがおすすめです。
卵焼きを綺麗に作るポイント

最初に卵焼きが黒くなる原因について述べましたが、せっかく作るなら綺麗に作りたいと思う方も多いのではないでしょうか。
卵焼きを綺麗に作りたい場合は、次のポイントを押えて置きましょう。
- 新鮮な卵を使う
- 少量の酢orマヨネーズを混ぜる
- 中火以下の温度&短時間で作る
- 金属製品に触れずに作る
- 調理後はすぐに冷却する
それぞれ説明します。
新鮮な卵を使う
まず使用する卵は新鮮なものがおすすめです。新しい卵だと黒くなる原因になる硫化水素が発生しにくいため焼き上がりを綺麗にすることができます。なるべく購入してから日が浅い卵で作るようにしましょう。
少量の酢orマヨネーズを混ぜる
さらに卵を溶くときには少量の酢やマヨネーズを混ぜてみましょう。綺麗な色にするために大事なpHを上手く調整してくれます。
さらにタンパク質が強く結合することで堅い食感になりますが、マヨネーズによってソフトな結合になるため柔らかく仕上がります。しかも時間が経過して冷めた状態でも柔らかいままなのでお弁当などに向いています。
中火以下の温度&短時間で作る
加熱する温度を中火以下にして一巻き一巻きを短時間で作ることも大切です。高温で長い時間加熱されると、黒くなりやすいので温度管理に気をつけましょう。
できるだけ加熱時間を短くするために溶き卵は薄く広げるのがおすすめです。
金属製品に触れさせずに作る
金属製の包丁やフライパンを使わないのも一つの方法です。調理器具の金属成分と反応して卵焼きが黒くなることもあるので、セラミック製やフッ素樹脂加工のフライパンを使用するのもおすすめです。
下記の商品は、フッ素樹脂加工の一種である「マーブルコーティング」が施されており、焦げ付きにくくスムーズに調理できます。おしゃれなデザインで、キッチンを明るくしてくれるのも嬉しいポイントです。
調理後はすぐに冷却する
完成した卵焼きはすぐに冷却しましょう。余熱で内部が黒くならないように卵焼きを切って冷たいお皿に移動させます。また、冷蔵庫に入れるのもおすすめです。
硫化黒変とカビの違い

ここまで卵焼きを綺麗に作るポイントや黒くなる原因について説明しました。基本的に硫化黒変による黒さなら安全に食べられますが、“この青さは…カビが発生している場合もあり得る…?”と不安な気持ちもあるかもしれません。
調べてみると、カビが発生した場合は次のような特徴がでてきます。
- 酸味やカビ臭い味がする
- 酸っぱい臭いがする
- ぬめった糸がある
明らかに臭いがおかしい場合は味見もせずに捨てることをおすすめします。一瞬でも変な味がした場合も同様に即座に廃棄しましょう。
すぐに食べない場合や作り置きの予定ならば冷蔵or冷凍保存が安全です。時間が経っても美味しく食べられる保存法について次にご紹介します。
卵焼きのおすすめの保存方法

卵焼きにカビが生えた場合の特徴について述べましたが、適切に保存することで時間が経っても安全に食べることができます。ここでは卵焼きの保存方法について説明していきます。
保存したい期間によって次のような方法で行うのがおすすめです。
- 3日以内
- ラップで小分け後に保存容器に入れて冷蔵庫
- 2週間以内
- ラップで小分け後に冷凍保存袋に入れて冷凍庫
*食べるときにはレンジやフライパンなどで必ず再加熱しましょう。
それぞれ説明します。
3日以内【小分けにして冷蔵庫】
3日以内に食べる場合は冷蔵保存が可能です。しっかり火を通した卵焼きの粗熱を取ったあとにラップで小分けにします。タッパーなどの保存容器に入れてできるだけ早く冷蔵庫に入れましょう。
たとえ冷蔵庫でも雑菌の繁殖を完全には抑えられないので必ず3日以内に食べるのが安全です。
2週間以内【小分けして冷凍庫】
もし長めの保存を考える場合は冷凍庫を用いることで2週間ほど安全に食べられます。冷凍保存するときには材料を少し工夫すると美味しさをキープできます。
- 卵(3個)
- 砂糖(大さじ1杯)
- 水溶き片栗粉(水:片栗粉=小さじ1:小さじ1)
- マヨネーズ(小さじ2杯)
マヨネーズの効果でフワフワな食感&片栗粉の保湿力で美味しさをキープしてくれます。
溶いた卵に上記の材料を混ぜ合わせて卵焼きを作ります。粗熱を取ってからラップで小分けにして冷凍用保存袋に入れた後冷凍庫で保存しましょう。


冷凍としては中々に形も食感も維持してくれました♪
詳しいレシピを知りたい場合は下記のURLにアクセスしてみてくださいね♪
まとめ
最後にこの記事についてまとめます。
硫化黒変:高温によって卵白の硫黄が硫化水素になり、卵黄の鉄が反応することで黒くなります。
- 卵が古い
- 産卵から時間が経つとpHが高くなり、硫化水素が発生しやすくなる。
- 加熱温度が高温
- 高温なことも硫化水素が発生しやすくなります。
- 長時間の加熱
- 硫化水素が発生し続けてしまうので、卵黄の鉄と反応も進みます。
- 新鮮な卵を使う
- pHが高くなると黒くなりやすいので購入して日の浅いものがおすすめです。
- 少量の酢orマヨネーズを混ぜる
- pHの調整に加えて時間が経っても柔らかい食感を維持してくれます。
- 中火以下の温度&短時間で作る
- 低温でサッと仕上げるために卵を薄く広げるのが綺麗な黄色にするコツです。
- 金属製品に触れずに作る
- セラミック製の包丁やフッ素加工のフライパンなどを使うと卵と金属成分の反応を防げます。
- 調理後はすぐに冷却する
- 余熱で黒くならないようにお皿にすぐ移すのがおすすめです。
- 酸味やカビ臭い味がする
- 酸っぱい臭いがする
- ぬめった糸がある
- 3日以内
- ラップで小分け後に保存容器に入れて冷蔵庫
- 2週間以内
- ラップで小分け後に冷凍保存袋に入れて冷凍庫
*食べるときにはレンジやフライパンなどで必ず再加熱しましょう。
卵焼きが黒くなる原因を知り、作るときのポイントを押えて綺麗な卵焼きを美味しくいただきましょうね♪